UK-1

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 今日も降り積る雪、UK-1。塀から次々に投げ込まれていく。ガシャン、ガシャン。コユキと呼ばれる名前にももう慣れた。作業員たちなりの近づき方だったのかもしれないと今ではポジティブに捉えている。そして、なにより命の恩人でもある彼らに僕からももう少し近づこうと思った。 「コユキ〜飯だぞ〜」 「んー今行くー」  僕の名前は晴舞(はるま)。今日は一段と冷える。早めに昼食を取るらしい作業員に混ざって僕も部屋へ戻る。珍しく降った本物の雪がゆっくりとUK-1に降り積もって、辺り一面を白く真っ白にしていった。  母親への思いをそっと、隠すように。
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