雪兎くんの宣伝屋講座

5/24
前へ
/24ページ
次へ
 目を疑った。  モブに奪われたスマホの画面から、無数の白い物体が飛び出したのだ。物体…と言うか生物は、教室内を思う様に跳ね回っている。落ち着いて見るに、それは真っ白な色をした兎であるようだ…。  あぁ^〜心がぴょんぴょんするんじゃぁ^〜。…とか言ってる場合ではなく、クラス中がぽかんと見守る中、兎たちは次から次へと無数にスマホから湧いてくる。これは…ヤバくね?  さらに落ち着いて見るに、兎たちには俺の書いた小説の一文字一文字が浮かび上がっているようだ(「抱擁」の擁とかね)。クラスの連中にはその文字まで見えていないか、突然の事すぎて見ている余裕がない…?  ただ一人、例の岩本だけは落ち着いた表情で成り行きを見ている。そんな中で「I」と書かれた兎が一匹、彼の前に跳び出して…。  変化した。目の前の岩本と、同じ姿に。いや、そこまでは百歩譲っていいとして…。ここまででも、すでに常識を疑うレベルだが。  何で、何でその変化した岩本が全裸姿なんじゃい!エブに、強制非公開食らっちゃう…。じゃなくて、これはもはや言い逃れ出来ないくらいヤバいやろ!  「や…やめ〜〜〜っ!!!」
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加