8章 諸悪の根源①

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石橋『それで、我々ギャロップタイヤになにやらよからぬ疑いがかけられていると聞きましたが。』 石橋は余裕の態度で株式会社ランディア一同を迎えた。 夏木『本日はお時間をいただきありがとうございます。早速ですが、当社商品であるエコライフを装着している車両が事故を起こしている件について、御社に確認したいことがあり伺いました。』 石橋『おたくの社内の問題ではないのですか?なぜ我々に確認することが?』 夏木『ご説明いたします。内山さん。お願いします。』 内山は手慣れた様子でプロジェクターをセッティングする。 内山『ロールスクリーンをお借りします。』 内山は得意のプレゼンの要領でことの経緯を説明する。 内山『まずはこちらをご覧ください。2ヶ月前から、関西、東北において当社商品であるエコライフを装着した車両事故が急増しました。』 内山は続ける。 内山『我々は社内で事故の真相究明に全力を注ぎ、今に至ります。我々がここにいるのは、この事件において不審な点…いや、何者かが仕組んだことだと確信したからです。』 石橋『ほう。これは面白い。当然、根拠や証拠があってのことなんだろうね。』 石橋は自信に満ちた表情をしている。 会議室で、理詰めの攻防が始まった。
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