1章 鹿島社長の受難

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関西支部に警察が押しかけたのは、ここ2ヶ月の奈良県で起きた15件の事故のうち、10件がエコライフが原因となるものだったからであった。 警察はエコライフに関する情報を集めるため関西支部の調査を行っていった。 滝沢『妙ですね、事故の3分の2がエコライフによるものだなんて。』 滝沢は事態の重さをすぐに察した。 高中『あ、また電話だ!滝沢さん!』 高中は電話に出たくない様子で滝沢に押し付ける。 滝沢『だから自分で出てくださいよ…はい、株式会社ランディア本社営業滝沢です。』 滝沢は電話の内容に驚き、神妙な面持ちで話を聞いた。 滝沢『えっ、東北支部もですか?!』 高中『なになに?警察?』 東北支部においても警察の捜査が入った。 高中『いくら警察でも会社の中にずかずか入り込んで捜査なんかできるの?』 高中はダルそうに滝沢のデスクに寄りかかり聞いた。 滝沢『東北支部、関西支部どちらも、エコライフが原因の事故の半数が死亡事故みたい……』 高中『は?うそでしょ?俺たちが作ったタイヤが原因で…人が死んでいるってこと…?』 高中は事態の深刻さに気付き驚いた。 ランディアに暗雲が立ち込めた。
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