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イチはスタッフの業務効率化と会議進行を円滑に行うために、完璧な人工合成音が必須と考えた。
各個人が慣れ親しみを感じ、自由に選択できる音声で”K”との会話を行うことで、効率化が飛躍的に増大する。会議の進行でも同様と推測され、人工音声(合成音)の制作を”K”によって、実現させることにした。
人工音声の合成にあたり、個性的でサンプル資料が豊富な映画俳優『三船敏郎・勝新太郎』、声優の『若山源蔵』さんを選んだ。そして、それぞれの映画の音声を記憶させ、その合成音で原稿を入力して読み込ませ、発声させる。
この人工音声を完璧なものにするには、スーパーコンピューターが24時間稼働しても数ヶ月を要した。完成後はそのアルゴリズムによって自己学習を行い、新たな人の合成音声は数日で完成させることが出来た。
プロジェクトに参加しているスタッフは、個人の希望を設定すれば、数日の間にその音声との会話(情報交換・収集)が可能となる。
この人工音声(合成音声)は、ロシア語・ウクライナ語等にも対応し、そのシステムを活用して、携帯電話や報道番組を編成し、紛争継続の画策と北方四島住民の誘導や駐屯部隊の偽作戦命令をも実行することとした。
これがホームに移設してからの、”K”の最初の仕事となった。
これが、ミッション開始18ヶ月前のことである。
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