プラネタリウム スイートタイム

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「あ、朝輝(あさひ)くん。脅かさないでよ」 「えぇ!?脅かしたつもりはないのですが…」 今年24歳になる若手社員の朝輝(あさひ) 大河(たいが)くんが両手にコーヒーを持ちながら立っていた。明るく驚くその姿は人当たりのいい印象を与えている。 黒く長めのウェーブがかかる髪型が特徴の男の子。癖毛の髪型が似合う男の子は顔立ちが整った人が多い気がする。朝輝くんも例に漏れずそんな感じだ。 持っていたコーヒーの片方を私のデスクに置いてくれる。私は「ありがとう」と言って努めて冷静に微笑んだ。 気配りもできるのはずるいと思うな。人はなんかしらマイナス面があるものだよ?朝輝くん、もしかして宇宙人? 心の中で茶目っ気を効かせたものの、そんな彼に私は最近困らされている。 「なにか満足していないことがあるのなら、ぜひ僕に聞かせてください!今晩飲みにでも行きましょう!」 「いやいや…なんで私なのよ。もっと若い子誘いなよ」 「えぇ〜」 とまぁ…こんな感じでなにかと私に絡んでくる。私が主体になっている今回の子供向け企画も、自ら志願して一緒に仕事するのを名乗り出てくれたくらい。 嬉しくはあるのだが、周りの目がかなり刺さる。主に私より若い女性社員の。 「…ところで用事があったんじゃないの?」 「あ、そうでした!子供向けに配るお菓子の件についてで、金平糖なんかどうかなと──」 鋭い目線に居た堪れなくなったので、仕事モードで朝輝くんと接する。この方が幾分か楽だ。 そもそも今業務中だしね。話し込んでる場合でも、友達の結婚の件で悶々としてる場合でもないから。 と、自分に言い聞かせながら彼の相談を聞いた。
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