プラネタリウム スイートタイム

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…………… ……… … そんなこんなで時は過ぎて2月14日。バレンタインの子供向け企画の本番の日。 あれから2人でいろいろ準備をした。子供たち向けにバレンタインプレゼントを用意したり、ドーム内の装飾をしたり。 夜遅くまで残ることもあった。それでも朝輝くんは文句一つ言わず、むしろ積極的に手伝ってくれた。 ふいに見せる笑顔は可愛らしく、だけどメリハリはあって仕事は真剣そのもの。約ひと月近く彼と仕事をして、私は徐々に惹かれていった。 …知らない方がよかったかもしれない。三十路の女が好きだの恋だの考えるのは年甲斐もない。 まさか6つも下の男の子に慕情を抱くなんて…。「忘れたい」と「素直になりたい」が頭の中でせめぎ合う毎日。 そんな日々でも天球はいつも通り星空を映し出す。映写された流るる流星に、私は幾度(こいねが)ったことだろうか…。 ……… … 「おはようございま……え、なにこれ」 そんな風に悶々としながら出社した私を迎えてくれたのは、大量のダンボール。オフィスの入口にたくさん積まれている。 「あっ!み、光星さん!」 「おはよう、朝輝くん。これなに?」 「あーいやえっと…じ、実は今日の企画で配る用の金平糖で…」 「え、これ全部!?」 朝輝くんに尋ねると、彼はバツが悪そうな表情をした。 「これ何キロあるの?」 「ご、500…」 「500kg!?」 本来の発注内容は5kgだったはず。 「すみません!発注量を間違ってしまって」 「私も確認したけど5kgだった気が…」 「あっ…と…け、桁間違えてたかもで」 「えぇ?」 発注ミスはよくある。だから気をつけてたはずなんだけど…。彼は珍しく歯切れが悪かった。 「…ごめん。私もきちんと確認しなかったかも」 「…あ、いや…謝らないでください」 朝輝くんは申し訳なさそうに目を伏せる。落ち込んでるみたいだな…。 「ほらほら、気にしない!」 「…あっ」 私はポンッと彼の肩を叩いて笑顔を向ける。 彼への気持ちを意識してしまうと、こういう軽いボディタッチもなんだか緊張する。 「こうなった時の対応も教えてあげるから!とりあえずもう始まるから適当に端っこ寄せておこう。企画の準備しないと!」 「は、はい!」 起きてしまったことは仕方ない。対応は後で考えるとして、今日の企画に集中しないと。 私たちはダンボールを運び出し、企画の準備へ取り掛かった。
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