プラネタリウム スイートタイム

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…………… ……… … 「…どこいっちゃったんだろうなぁ?」 その日の業後、届いてしまった500kgのダンボールの後片付けをしようと思ったが綺麗さっぱりなくなっていた。 不思議に思いつつ自分のデスクに戻ると… 「ん?」 『ドーム内で待ってます 朝輝 大河』 私のデスクにこんな置き手紙があった。 「…なんだろ?」 不思議なことだらけだが、とりあえず向かってみることに。 ……… … ガチャリと重厚な扉を開けてドームに入る。 「…朝輝くん?ここにいるの?」 中は真っ暗だった。明かりの点いていない広いドーム内はまるで闇夜のようで、不安さえ覚える。 私は恐る恐るドーム内に足を踏み入れた。すると… カリッ! 「?」 私の靴底が何かを踏みつぶし、軽い音が響く。 「……」 暗がりで少し怖い中、しゃがんで確認する。 「…金平糖?」 黄色に着色された砂糖の塊、それは発注していた金平糖だった。 不思議に思った私が立ち上がったその刹那…ジーッという作動音とともに突然ドームに光が満ちた。 「…わっ」 普通の明かりではない。それは仄かな星明かり。 映写機が映し出したのは、しぶんぎ座流星群のモデル映像。お昼に流れたばかりのもの。 眩く淡く光る星々と、天を駆ける流星の煌めき。満天の星が私の頭上に現れた。 「すごい…」 しかしそれだけではなかった。その眩い星明かりに呼応するように床一面がキラキラと輝いている。 まるで降り積もった雪のように広がる光の粒たち。その光の粒はよく見ると色とりどりの金平糖だった。 流星の閃光を浴びて、その光を反射する1粒1粒の金平糖が不規則かつ美しく輝く。 それは…うねり煌めく星屑の絨毯だ。 「……綺麗」 その光景に思わず目を奪われ、自然と口から声が漏れる。心がドキドキと高鳴るのを感じた。 空にも地面にも広がる幻想的な星明かり。 幼い頃に見た流星群、朝日を浴びた細氷の景色。眼前の景色はその記憶と繋がった。 「……」 私が星を好きになったきっかけ…私が今この仕事をしているきっかけ…。 目の前の美しい光景に、私の胸はギュッと暖かくなった。
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