夕景の依頼人

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    青いあなたは、白い菫となった     それは、私に金盞花を想わせる     白い菫のまま、浜木綿へ消えた、     青いあなた     「良い所よ」と言っていた、     青いあなたを思い出す     最早、彼岸花となった、     青いあなたを抱きながら     私も、遠くないうちに、     白い菫となるでしょう PS  私達が育てたミモザの花は、あの日を境に枯果て、それ以来私は、何度も弟切草を手に取りかけた。 それでも、青いあなたが、「二藍の君へ、赤い菊の花を贈ります」と言った、あの日の事が忘れられないの。 だから、こんなことになるぐらいなら、 最後に、私の手で、 青いあなたに、桑の花を贈りたかった。
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