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「…ごめんなさい。捨てちゃって、もう無いんです」
「どうして?」
「…喧嘩、しちゃって。ちょっとした事なんですけど、それが、茉莉ちゃんが居なくなる前の事だったから…。それで、私」
「いいのよ。辛いことは、無理に言わなくても」
きっと、その喧嘩が原因で、友達が居なくなったと思ったのだろう。
あざみは、何度も、自分の事を責めたに違いない。
「茉莉ちゃんは、いつも、こんな感じの手紙は書かないんだよね」
その事を秋乃も察したのか、話題を変える。
「はい…。でも、茉莉ちゃんが使ってた手紙だし、それに、彼女、お花が好きだったから」
「確かに、色々な花の名前が書いてあるわね」
「だから、茉莉ちゃんが書いた手紙に、間違いないんです」
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