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「他に、相談できる人もいないですし…。それに、大人は、きっと信じてはくれないだろうから」
あざみ、と呼ばれた少女は、秋乃の問いにそう答える。
「秋乃は、少し黙ってなさい」
鋭い声で、彼女を窘める。
「それで、大人が信じてくれないっていうのはどういうことなのかしら。お友達を探して欲しいって依頼なのよね」
「確かに。子供がいなくなったら、普通親が騒ぐもんだよね。学校だって、放置は出来ないだろうし」
秋乃は、私の言葉を無視して、会話に割り込む。
「その、私の友達…茉莉ちゃん、って言うんですけど」
ゆっくりと、そして、しっかりとした声で、あざみが話す。
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