母との距離

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母との距離

俺は今、母と仲直りしてこの悪夢の森から出るか、 仲直りしないで、悪夢の森にずっといるか悩んでいる。 普通の人だったら、もちろん母と仲直りしてこの悪夢の森から出ることを 選ぶだろう。でも俺は違う。小さい頃から母からひどい事を言われてきたし、 放置されてきた。でもこの悪夢の森に一生居るというのも辛い。やっぱり、 仲直りするしか無いのか。そう思って、俺はトナカイに言った。 「俺は、俺はお母さんと仲直りしてこの悪夢の森から出る!絶対にでる! だから、俺をお母さんの所に連れて行け!」 そう言うと、 「りょうか〜い。 ではしっかり掴まってね。」 くぐもった声でトナカイが言った。 それからトナカイの後ろにいつの間にかソリがついていた。 俺はソリに乗った。するとトナカイが動き出し、俺は空を飛んでいた。 風が当たって気持ち良かった。ずっと乗っていたかったけど、 俺はどこに行くのか知らされていない。だから聞いてみた。 「トナカイ、どこへ向かってるんだ?」 「もちろん、君のお母さんが捕まってるとこだよ。」 さっきと同じ声でトナカイが言った。 行く所はお母さんの捕まってる所? 何で俺の母さんが捕まってるんだ? トナカイが現れてから、頭の中に?はてながずっとうかんでいる。 やっぱり、母さんと仲直りしなければいけないのか。 でも悪いのは母さんだ。母さんから謝ってもらわないと。 「もうすぐで着くからね〜しっかりと掴まってね〜」 そう言ったと同時にソリが急降下した。 見えてきたのは、四角い建物だった。 「到着〜 詳しくは中で話すから、入ってね〜」 そう言ってトナカイは消えてしまった。
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