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悪夢の森からの脱出
僕は唯一悪夢の森から出る事が出来たという時河流介について調べてみる事に
した。流介が悪夢の森に迷い込んだのは紘都が迷い込んだ時と同じ五時ぐらい
で森から出たのは翌日の朝五時ぐらいだから、丸一日森にいたんだ。さらに
調べてみると、流介はご飯も食べずに森から出ようとしていた事が分かった。
そして紘都が最も驚いたことは、流介は死刑になったが死刑の部屋に連れて行
く途中で消えてしまったそうだ。それで各県の警察がくまなく探したが、
見つからなかった。流介は迷わないように木を削り同じ所をぐるぐる回らない
ようにしたとかいてあったので、紘都も頑張ってみることにした。紘都は持っ
てきたが、使わないだろうと思う遊び用のオセロの白黒のやつにした。リュッ
クサックを背負いオセロを手に持ち、出発した。スマホの地図も見てみたが、
悪夢の森は地図に載っていなかった。とにかく早くこの森から出たかったから
駆け出した。オセロを置くのも忘れなかった。でも確かにぐるぐる回っている
ようでオセロが置いてある。その時僕の横に光がさした。もう夜明けになって
しまったのか。そうなったら急がなければ出ることが出来ないかもしれない。
でも大丈夫だ!出ることだけを考えろ。でもどうしても母の事が頭に浮かぶ。
頭もくらくらするしぼーっとする。寝てないせいだ。そもそも僕が悪夢の森に
入ったのがいけなかったんだ。でも前に進まなければ出ることは出来ない!
僕はただゴールに行きここから出て、どっかのアパートの部屋を買い、暮らす
もう家族の事なんかどうでもいい。父は僕が生まれてすぐ母と離婚してどっか
へ行ってしまったし、どうせ母も遊びに行っている。まだ家を出てから一日
しかたってないのになぜか寂しく感じる。母の事なんて大嫌いなのに。
そんな事を考えているうちに、暗かった森にほんの僅かな光が差した。
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