僕→俺

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僕→俺

暗い森の中にわずかな光が差した時、僕はわずかながら、希望が見えた気が した。なんだか、光を見ていると元気が出て、頑張ろうと思える。しかし、 僕はまた光を見た時、忘れたい思い出が蘇ってきた。 「紘都、朝日が眩しいね。それに今日はクリスマス! プレゼントがもらえるよ!」母はそんな事を言った。 そして僕はこんな事を言った。 「うん。すっごく嬉しい!」 「良かった〜 紘都がクリスマスを気に入ってくれて。 だって紘都、紘都の名字は三多(サンタ)でしょ。」 母 「本当だ!」 母とのやり取り何かは絶対に忘れたいのに、忘れることが出来ないのは 何でなんだろう。それに、今日は12月25日だったような. . . 今日がクリスマスだから、あんな事を思い出したのか? とにかく母の事は忘れたい!だから、母に関係することは 全部なくしてしまおう! そして僕はいろんな事を思い出し、それをやめていった。 例えば、 「紘都、紘都はもうすぐ中学校に行くんだから、自分の事を(僕)か(俺) って言ったほうがいいよ。もしわからないなら、お母さんが決めてあげる。 う〜ん紘都に合いそうなのは、僕かな?」 そんな事を言ってた気がする。僕は母が決めたことだから、俺って呼ぶことに しよう。そして他にも、色々な事をやめた。今思ったことだけど、母は俺に 色々指図してたってこと。だけど、それも全部やめて、母のことも全部忘れて って。それでいいんだ。これが俺の人生なんだ。母にあれこれ言われて、 でも家出して、悪夢の森で迷って、やっと自由になることが出来た。 グラフに表すと、ずっとグーンと下がっていたけど、急にグーンと上がった って感じ。 そこで、急にほっぺに角のようなものが当たった。 それはトナカイの角だった。見てみると、ここは悪夢の森だった。 いつの間にか眠ってしまって、しかも母が出てくるという悪夢。 でも誰も入らないはずの所に何でトナカイが? よく見てみると、トナカイの角には紙がくくりつけてあった。 「おめでとう! 君は悪夢の森から出ることが出来るよ。 ただし、君がお母さんと仲直りするなら。だけどね。 もし仲直りするんだったら、トナカイに言ってね。 そうすれば、家に戻ることが出来るよ。」 その下に小さい文字でこんな事が書いてあった。 「紘都、これまでごめんね。 本当にごめんね。 お母さんは今、捕まえられているの。 謝るから、ここから出してくれない? 紘都がお母さんと仲直りするって決めたら、 お母さんはここから出れるの。 出たら、紘都のために一生懸命働くから、お願い! 本当にごめんね。ずっと謝るから。ごめんなさい。」 この字は間違いなく母の字だった。
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