4人が本棚に入れています
本棚に追加
ピピ ピピピ
「ん、、」
アラームが鳴って重い体を起き上がらせる
昨日少し寂しさを感じて逃げ出したまま無断で家に帰った
両親には怒られたけど後悔はしてない、、けど、、今日気まずい絶対
準備が終わり、最悪なコンディションの中頑張って家を出る
「おはよ、」
外に出ると蒼君がいた
「え、?!」
「お前昨日そのまま帰っただろ、送ってやろうと思ったのに」
不意の優しさにキュンとしてしまう
「あ、、ありがとう」
「ん、行くぞ」
*****************
出てきた春姫は俺がいることにすごく驚いているようだ
昨日からずっとモヤモヤしていた、春姫が龍我と仲良くしている奈緒に嫉妬していることを。
考えないようにしたけどふとした時に春姫の悲しそうな顔が浮かんでしまう
朝、無意識のまま、春姫を待ってしまった
***********
蒼君と学校について、教室へ入る所、、なんだけど。どうしよう
すると背中に衝撃がくる
ポン
「大丈夫だから、心配すんなって」
「うん、、」
背中に蒼くんの手の温度を感じる、優しくて温かい。
蒼君はいつも私を励まし元気にしてくれる、大切な存在だ
勇気を振り絞って教室の中に入る
ガラ
「春姫??!!」
「春姫ちゃん!」
奈緒と神崎くんの声がすぐに聞こえた
「ちょっと来て?」
「あ、うん、、、」
奈緒に呼ばれて人気のないところに連れられる
これって、、、殴られる?!!
変なことを考えていると奈緒が立ち止まる
「ごめんっ」
目の前で頭を下げられる
「え、っ?」
なぜ、奈緒が謝るのかな、飛び出していきなりどこかへ行ったのは私だ
謝らなければならないのはどう考えても私だと思う
そして小声で
「龍我とイチャイチャしてたから、嫉妬したんだって?」
え?
「え?」
「昨日電話で蒼が言ってた」
「えぇぇぇぇぇ?!!」
驚きのあまり私は大声で叫んでしまう
「違うの?!!」
そんなわけない。
恋愛の嫉妬なんて面倒くさいだけだなんの得にもならない感情
まぁ、一生恋することのない私には関係ないんだけどね
「わ、、私は奈緒を取られたと思って神崎くんに嫉妬したんだよ。。 幼馴染といきなり来た人の絆が違うことはわかってる、、けどっ」
奈緒に素直に全部思ったことを言ってみようと思い、伝えたが遮られた
「春姫、よく覚えといてね。私が春姫に話しかけたのは一人が可哀想みたいな軽い気持ちじゃないよ。本気で仲良くなりたかった、なのに絆が違うなんて言わないで?そりゃ外から見たらそうかも知れないけど
私は春姫を昔からの親友のように思ってるよ?」
奈緒が真剣な顔で私に言う
なんでだろう、涙が溢れる__
自分のことばかり考えてた、奈緒はずっとそう思ってくれていたのかな?
そう思うととても嬉しくなる、今までのモヤモヤがスッキリするくらい消えていく
初めて親友だと思える人ができた
「ずっと好き、、」
泣いて枯れた声で言う
「え、なにそれ私も好k、、、ンギャ」
「ねぇ、何話してんの。入れてよ」
後ろから奈緒の口を塞ぎ、神崎くんが言う
ど、、どうやって私達を見つけたんだろう、、、
ここ結構誰も来ないようなところだと思うけど、実は人気の穴場スポットなのかな。。
「あ、なんでもないよ汗」
「そーだよ、龍我は向こう行け」
「は、」
「痛いっ!!」
昨日と同じように二人は仲良し喧嘩を始める
今となっては奈緒の嬉しい気持ちを聞いて二人をただニッコリと微笑ましく眺めることができる
すべては蒼くんのおかげだろうか
蒼君はいつのまにか心の支えなのだろうか
あの人の隣はなんだか落ち着く______
最初のコメントを投稿しよう!