王道転校生

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悲報:生徒会がこっちに来ているらしい。 なんで場所分かんだって話は生徒会役員は仕事の関係上GPSで位置を把握出来るらしい。 そんなことを言っている間にも和のスマホ上に映る点は真っ直ぐこちらに向かってきている。 「あぁぁぁぁぁ……やりたくないめんどくさい早く帰って寝たい………」 「珠羽流様、やるって、決めたんだから、やる。つべこべ言わない…の。」 「はぁい…」 数人の気配を扉の前に感じる。ここまできたらやるしかない。これは俺の執事科としての意地だ。 「まーどちん!こんなとこに連れてってなぁにして………え?」 「うわぁ!すごいね陸!」 「そうだねぇ空!」 「「お茶会してるー??」」 そう……今俺たちはお茶会の真っ最中 優雅に紅茶を啜る和と給仕をする俺。 まぁ想像していなかっただろう生徒会一行の驚きをひしひしと感じる。 「ま、和?先程のことも含め説明を……」 「ん、この子、俺の…。さっき偶然、見つけて……お茶、淹れてもらっ、た。」 「益々どういうことだ?もう少しちゃんと説明しろ」 副会長の質問に端的に返しすぎでは和?? まぁ流石に理解出来ないだろうな。 会長の明らかにこちらに向けた発言だが… ここで出しゃばってはいけない。 「……ほう、中々分かっているじゃないか。そこの執事、発言を許す。一連の流れを説明しろ」 「……恐れ入ります。私、戌井家にお仕えしております霧矢と申します。旦那様のご命令で坊ちゃんを陰ながら見守っておりましたが先程気づかれてしまいまして……坊ちゃんが私の淹れる紅茶をご所望でしたのでしばしティータイムを。」 「む……和って呼んでって言ったのに……」 「これはこれは…失礼致しました。和様。」 嫌味に見えない程度に謝っておくが、こんな面倒な事態にした和へ少しやり返すくらいいいだろ こちらも負けじと優雅に微笑んでみたが、そうだった……俺布あるから見えないじゃん。 「霧矢ってもしかして噂の『霞様』ぁ? へぇ、ほんとに布付けてんだぁ〜、ねぇ取っていい?」 チャラチャラした会計が興味深そうに俺の雑面に手をかける てか何?霞様ぁ??何それ俺のこと? 存在感ないって意味でギリギリ悪口では? 「……お戯れを。」 「えぇ〜?そう言えば君執事科2年の首席なのに主いないんでしょぉ?ね、俺のにならない?」 「だめ。俺の、なの。あげない……」 おおおおおおぉぉぉう 会計に耳元で色気たっっぷりの声で囁かれたと思えば和に後ろから抱きすくめられる 耳がゾワッとした。何あれなんて凶器??? 謎に会計さんに口説かれたのでここは先程考えていた言い訳ちゃんの出番だ。 「…申し訳ございませんが旦那様から学園では幅広く知識を学ぶよう仰せつかっております為和様含め主従の契約は結ばないつもりでございます」 「ふぅん?まぁこれから落としていくのもいいかもねぇ」 「ほら、もういいでしょう?和の様子も見れましたし……置いてきてしまった日向が心配です。」 いいぞ副会長!!そろそろ帰ってくれマジで! ショックから立ち直り密かに辺りを伺うと先程から静かだと思っていた双子達はお菓子を摘んでいた。………可愛いなおい、後で包んで和に持たせるか。 もう1人、静かな生徒会長は…… え、こっちに寄ってくるんだけど??? 「お前、名前は何だ。」 「…霧矢でござ「下の名前だ。」……珠羽流と申します。」 「ふ…覚えておいてやろう。おい、お前ら、行くぞ。」 「ちょ、待ってよぉかいちょ〜!」 …………何だったんだ??? とりあえず生徒会一行がお帰りくださった。おかえり日常……いや、グッバイ日常? いやいやいやまだそう決まった訳ではない、すぐに寮に帰って ピーンポーンパーンポーン 『2-S、霧矢。今すぐ理事長室へ来なさい。繰り返す……』 ……非日常的な今日はまだ終わってくれないらしい。
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