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「アイン…そこから見ているかい?これが…雪だってさ」 戦争が終わり、僕を縛り付けるものは何も無くなった。 だけどやっと手に入れたはずの自由が…今は苦しい。 季節は巡り、冬はやってきた。 僕は今、「雪が降りつもる町アッシュポーランド」に立っている。 不思議なもので、僕が生まれてからこの方降った事なんてなかった雪が、この町で降り続いている。 『真っ白い花びらが舞っているみたいなんでしょう?』 (ああ…本当だね。真っ白くて、綺麗な花びらみたいだ。アイン…もしかして君が降らせているのかい?君は…本当の天使になってしまったから。きっと…そうだろ…?) 「…冷たいな…雪は…さ」 (頬を伝うのは溶けた雪だ。そうだよ…な) 例え誰もが君の事を忘れてしまっても、僕だけは君の事を忘れない。 アイン、君という存在が戦いの中でこの町を、人を守って命を落としてしまった事を。 誰よりも素晴らしい笑顔で笑っていた事を…。 そして僕は生きるよ。 君が守ったこの町で、君が生きたこの町で…。 見上げた空は灰色だ。 だけど町は白く染まった。 暖を取る為の薪を燃やす煙の匂い、食卓を囲むご飯の匂い。 ああ…ここは… 今日を生きる人達の力強い「命」の匂いがするーーー。 終
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