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「さて、本題に入るが…。君、高知に住んでいると言ったね?」
「はい」
「君、そうとうな神社ヲタクの旅行者?」
………………ゑ?
「あの、どういうことでしょうか…?」
「そのままの意味だ」
「アッハイ」
じ、神社ヲタク…?!
わたしはアニメやマンガのヲタクだが、神社のヲタクではない。
いや、ヲタクであることには違いはないが。
「ここ王宮大社は今、一般人が入れないように閉鎖している」
「は、はあ…」
「王宮大社の巫女でも王宮のメイドでも侍女でもないあなたがこの場所にいるわけがない」
「…」
「だからな、あなたは神社ヲタクだと思うんだ。裏道的な何かでこの王宮大社内に入ったのだろう?」
お、おう…。
堀川さん、すごく自信満々に言ってるけど、すごく真実と違うね。
「神隠どの。どうかな?」
堀川さんがすごく自信ある目で見てくる。
…っ。真実を言いにくい。
「堀川国広。あまり客人を困らせるな」
「薬研」
ふと、堀川さんの後ろにお茶をのせたお盆を持った忍者みたいな少年がいた。
うわ、全然気づかなかった…。
気配すら感じなかったよ。
「神隠どの。俺は薬研藤四郎。粟田口派粟田口吉光が打った短刀だ。ほれ、俺の地元の茶だ。受け取れよ」
薬研くんがぶっきらぼうにわたしにお茶を渡してきた。
素直じゃないなぁ…。
んで、薬研くんは粟田口吉光さんが打った短刀なんだ。へえー
ん???
「あの、失礼なことをお聞きしますが、」
「ん?なんだ?」
「お二人は人間なんですか?」
うわー、めっちゃ失礼じゃん。
てか、半分冗談みたいなもんだけど。
恐る恐る聞いてみたけど、反応はなし?
すると、
「ハハハハハッ」
薬研くんが急に笑いだした。
「あんた、結構賢いんだな」
「このような人間に会ったことない」
え?
この反応ってことは、人間じゃないってこと?!
「え、もしかして幽霊とかだったりします?」
「バカ。俺はすでに短刀だって言っているだろ」
お、怒られた。
いやしかし、短刀っていう意味が分からないのですが。
「説明不足で申し訳ない。神隠どのの言うとおり、我々は人間でない。つくも神なんだ」
つ、つくも神…?
もしかして、神様…?!
「ももももももももももしかして堀川さんたちは神様なんですか?!さっき逃げて行った赤髪の人も?!」
「同様しすぎだろう。まあ、“神”という字が入っているだけで、つくも神は妖怪の類いと言われている。…………まあ、実際に神様もいるが」
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