心の鉛

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 妬み、恨み、羨望…。そのどれもが自尊心の欠如へと繋がっていく。 何もない自分が惨めで情けなく、恥ずかしい。 どうして自分には何もないのだろう。 人と比べて、(まさ)っていることが一つもないのだろう。 鏡を見る度に、テストが返却される度に、人と一緒に何かをする度に私はそんなことばかり考えていた。 …けれど、私の中に劣等感が降り積もっていったそもそもの要因は、他人が私を誰かと比べたからではないのだろうか。 私たちは皆、物心のついたその時から何かしら周りと比べられる。 容姿 頭脳 身体 特技 人と比べて何かが(まさ)っていないと、途端に″負け組”の烙印を押され、″自信”というものを奪われていくのだ。
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