心の鉛

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友達の方がテストで良い点を取れば「○○ちゃんを見習いなさい」と言われるのに、友達が持っているものを羨ましがれば「よそはよそ、うちはうち」と大人は言う。 協調性を重んじる割に人は皆、他者と優劣をつけたがる。 アイドルや芸能人の人気順だってそうだ。 上位になるものがいれば、必ず下位になるものがいる。 下位になる者の気持ちを、心の底から汲み取ってくれる人物なんてこの世に何人いるというのだろう。 勝手な優劣をつけられ、そのことにより自分でも自分を卑下せざる終えなくなる。そんな多感な時期である私達の気持ちを、大人や周りは分かってはくれない。 私の中に降り積もっていくこの重く黒い鉛のような感情は、そんな周囲の人達による心ない言葉から生まれるものなのだ。
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