18.新学期。

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「そういえば再来週、俺たち修学旅行なんだよね」 「あ、三泊四日でしたっけ」 「ん? 矢野くんよく知ってるね」 「さっき会長が教えてくれたので」 「そっか」  先輩たちが学校にいないってはじめてだよな。しかも、四日も会えないのか。  それは少し寂しいかも……え? 俺なんで夏樹先輩に会えないからって…… 「先輩は、修学旅行楽しみですか?」  自分の気持ちが分からなくてモヤモヤするので、会話を続けて気を紛らわせる。 「そうだね。すごい楽しみ。ただ、ちょっと寂しい部分もあるけど」 「何か心配事ですか?」 「矢野くんに会えなくなるから」  何の前触れもなくそんなことを言うから、思わず赤面してしまう。  そんな俺を見て先輩はまた笑った。 「なにか欲しいものあったりする?」 「い、いえ、特には……」 「なんでもいいの?」 「なんでもっていうか……先輩が選んでくれたものなら嬉しいです」  そう言うと、先輩はなぜか目を白黒させて固まる。 「……あの、先輩?」 「ああ、うん。なんでもない。分かった。楽しみにしててね」  寂しいって思う気持ちを、先輩に隠したまま俺は笑った。
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