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髪は癖っ毛の短い髪で金色。人間の姿をしていたが肌があまりにも白くて、血が通っていないように見える。夜だったので、余計に肌の白さが浮き立っていた。
よく見ると頭に2本の触覚があり、触覚の先は丸いボールのようなものがついている。
(う、宇宙人?)
この目の前にいる人間のようでよく見ると人間と明らかに違う部分のある女を、宇宙人と言う他になんと呼べばいいのだろうか。
「ここは、どこ?」
目を擦りながら女は口を開いた。
「地球」
と短く答えると女は小さく2度頷く。
「すみません。お水ください」
女は両手を合わせる。
俺は戸棚を開け透明のグラスにキッチンの蛇口を捻った、ただの水道水をあげた。冷蔵庫に冷やしてあった麦茶でも良かったのだが、宇宙人に見える女にあげていいものか分からなかったから注文された通りの水をあげた。
女は小刻みに手を震わしながら一気にコップの水を空にする。
「ありがとう。君の名前は?」
柔らかな高い声で聞いてきた。
「翔真。あんたは何者なんだ?」
直球どストレートに聞く。遠回しに気を使いながら質問する余裕を一切持ち合わせていなかった。
「私はプゥ。ポリンピー星からきたんだ。でもね、なんでここにきたのか分からないの」
プゥは眉を下げながら俺を見ている。夏の虫がジリジリと鳴き、プゥが乗ってきた乗り物からは白い煙がもくもくと上がっていた。
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