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第23話
「河山、どうだ? まりちゃんとの生活は。そろそろ1年になるか?」
江沢はいまだに俺とまりの話題に飽きていないようだった。
「この前が結婚記念日だったよ」
「なにかしたのか?」
「お互いにプレゼントし合って祝ったよ」
「幸せそうでいいじゃんか」
「そうだな。だからもうもらうとか言い出すんじゃないぞ。」
「もう言わないよ。俺は最近まりちゃんの後任で来た派遣の美希ちゃん派になったんだ。宇山 美希ちゃん。」
「へぇ。そうか。うちの事業規模も少しずつ広がってきたから派遣がもう1人増えるといいな。」
「今露骨に話題を変えたよな?」
「その子には興味がないからな」
「真面目だねえ。向こうはやっぱりお前に興味津々だったぞ。そろそろアプローチされるだろ。」
「相手にしないよ」
「頑張れよ」
この時江沢に話した内容は全部本心だ。まだまりの事を愛していた。当然、この日も愛する妻が待つ我が家に帰った。
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