Dice7 サイコロが教えてくれたこと

4/4
前へ
/125ページ
次へ
「花束を渡されているよ。あれって、ほら、映画の撮影とか終わった後に渡されるやつかな」 「公開近いのかな」 「観に行きたい?」 私は黙って首を横に振った。 千紘には頼もしい彼女(マネージャー)がいる。 私はそっと遠くで千紘の活躍を見守っていこう。 千紘は最高のパートナーをあの夜に見つけられたんだね。 それが私を傷つけたとしても、結果的に千紘の新しい夢が叶ったなら、本当に良かった。 私は強い海からの風に吹かれて乱れた蓮見さんの髪に気がつき、そっと直してあげた。 「ありがとう、緋奈」 「行こ」 「ああ」 私達は微笑み合ってしっかりと手を繋いで歩き出した。 千紘、がんばってね。 さよなら。
/125ページ

最初のコメントを投稿しよう!

198人が本棚に入れています
本棚に追加