エピローグ

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私と蓮見さんが結ばれた夜からずっと引き出しの中でぬくぬくと冬眠しているサイコロ《相棒》に私からプロポーズしていいものかを聞く。 私も新しい自分を知りたい。 「橙弥」 橙弥がこっちを見て、口元を緩めた。 「嬉しそう」 「嬉しいよ。だってはじめてだよね、緋奈が名前で呼んでくれたの」 「呼んでみたけど、なんか恥ずかしいね」 「今さらだよ」 「そっか」 「ねえ、ここでする?」 「しない」 「えー」 「えーじゃない」 夫婦漫才みたいなやり取りになってしまうのは、 私達がはじめから夫婦になるって決まっていたからかな。 愉しげな橙弥のことがとても愛おしい。 彼が独占欲が強めだと言うなら、私だって そうなりそうだ。
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