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「そんなに断ったっけ? 半分くらいじゃない?」
明日香の真面目な返答にさらに会場が沸く。大声で言うなよ恥ずかしい。
「それじゃあさ。俺と手を繋いだ回数は?」
『0回でございます』
「拒否した回数は数え切れないけどね」
会場の盛り上がりは最高潮。完全にペースを掴んだ。
――
プレゼンの報告を終え、喫茶店へと入った。明日香の手招きに誘われ、奥のテーブル席へ座る。
「課長から凄い褒められた! 明日香のお陰だよ。でも、覚えててくれたんだね」
「忘れるわけないじゃん」
頬杖をつき、ストローでメロンソーダを吸う明日香。夕焼けに照らされた表情は確かに笑っていた。
「ありがとう。最近、忙しいって言ってたから、来てくれないかと思った」
「あぁ……もう解決したから。実はうちの職場でさぁ、コロナにかかった人が出て大変だったの」
「あ、そうだったの? あ、もしかしてそれで」
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