6/7
前へ
/25ページ
次へ
「うん。私も陽性かもしれないし、隆行に移したら大変じゃん。だから極力距離を置きたかった」  手を握るのもキスも、それが原因で拒否していたんだ。 「機密事項だから人には言えないし」 「ごめん。明日香がそんなに大変だったのに、俺、自分勝手な妄想ばかりして、嫌われたんじゃないかとか考えてた」 「自分勝手なのは私も一緒」 「えっ?」 「私ってさ、キャピキャピしたノリとかできないし。それに、素直じゃないから」  腕を伸ばし、ブクブクとメロンソーダを泡立てる明日香。 「電話もメールも、なに話せばいいか分かんなくて、極力避けてた」 「その割に、会場で思い切り好きって言ってくれたね?」 「うるさい! 隆行のことほっとけなかったし。絶対に成功してほしかったし」  机を叩き頬を膨らませる明日香だが、思い出したかのように表情を柔和させ、俺を見つめた。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加