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……最初が肝心だ。まず、明るく挨拶。服装やメイクを褒めてあげて、昨日あったことなんかを聞いて……。
考えていたら、バックミラーに明日香の姿が見えた。流石に早いな。家から徒歩五分だもんな。
さて、すぐにでも降りて声をかけたいが、ガツガツしていて引かれる可能性がある。ここは我慢。
……手を伸ばせば届きそうな距離まで近づいてきた。そろそろいいだろう。
「おはよう寒いね」
運転席のドアを開け言った。
「おはよう。そうだね」
「それじゃあ行こうか」
「うん」
淡々と答え、助手席へと乗り込む明日香。
いつものことだが、テンションがやたらと低い。
「うわぁ凄い匂い……ラベンダーの森に迷い込んだみたい」
鼻先に手を添えながら座る明日香。しまったぁ……香りが強過ぎたか。
「こ、高級な料亭の、トイレみたいだろ?」
考えうる精一杯のフォローを呟いた。
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