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皆が、一斉に同じ方向を見る、そこには、見た事も無い大きな蛇が
鎌首をもたげたまま、迫って来ていた。
「うわぁ~っ」リリーとモカラが悲鳴を上げ
「こいつ、俺達を飲む気満々だぜ」と、ディゴが、身構えながら言う。
「メガサンダーっ」リリーが、雷の魔法を掛けたが、あまり効いていない。
皆の、物理的な攻撃も、つるつるの固い皮に阻まれて
なかなか、大きなダメージが、与えられない。
リリーは、今迄の戦闘を思い返して「メガコールドっ」と、氷の魔法を掛けた
蛇の体は硬直し、動けなくなった。
そこを「ボミオスの牙っ」ジュランタが、新しい槍で
一撃必殺の技を繰り出し、蛇をやっつけた。
「あ~驚いたな~」「ほんと、こんな大きな蛇が居るなんて、吃驚したわ」
「他にも居るかも知れない、もう、先へ行こう」「そうね」
皆は、焚火を消し、荷物を持つと、また、西へ西へと進む。
その日は、大きな木の上で、野宿し、翌日一日歩くと、森は無くなり
目の前には、岩と灌木が茂る場所に出た。
そこを更に一日進むと、広い草原に出た、草原には、あの大きな体と尻尾で
ぴょんぴょん撥ねる、動物が沢山居た。
翌日、草原に有る、小高い丘の上に居たディゴが、辺りを見回して
「皆、直ぐ先に、白い湖が有るぞ」と、叫ぶ。
「どこ?どこ?」皆も丘に駆け上がり「ほんとだ」「真っ白だね~」
「何で白いのかな?」「行ってみれば分かるさ、さぁ、行こうぜ」
皆は、白い湖の傍まで行った「まぁ、これ、塩じゃない?」
モカラが、湖の水際に固まっている、白い物を見て言う。
「塩?」ディゴが、指先に、その白い物を付けて舐め
「塩だ!!しょっぱい」と、言った。
皆も、指に付けて舐め「本当だ」「ここは、塩の湖だったのね」
「何で、こんな草原に、塩の湖が有るのかな?」「さぁ?」
皆には、何故だか分らなかったが、塩の湖は、とても大きくて綺麗だった。
「空が湖に映っていて、どこが空なのか、湖なのか、分からないわね」
浅い湖の中ほどまで行ったディゴ達の姿が、鏡に映っている様だった。
白い湖で遊んだ皆は、更に、西へと進む。
その二日後、今度はピンク色の湖を見つけた。
「わぁ~とっても綺麗!!」「何でピンク色なんだろう?」
皆は、また湖の傍に行って、水をすくってみた。
「何か、ピンク色の藻みたいなのが有るね」「これが、ピンク色の原因だな」
「色の原因は分かったけど、それにしても、夢の様なピンク色だわ」
リリーとモカラは、うっとりと、湖に見とれた。
様々な、珍しい景色や、珍しい動物や植物を堪能し、リリー達は
ワープの魔法で、皆が居る小屋まで戻り、無事に皆と出航した。
「魔法で帰っても良いけど、帰りも魔物が出るだろうから」
リリー達がそう言うと「有難てぇ、助かるぜ」船長のペンタスをはじめ
乗組員、全員が喜んだ。
こうして、また、魔物を退治しながら、シラー港へ着いた。
「世話になったな、名残惜しいが、ここでお別れだ」ペンタスがそう言い
「こちらこそ、いい経験をさせて頂きました」
リリー達も、お礼を言って別れた。
それからも、リリー達は、あっちの国、こっちの国と
世界中を旅して回り、魔物を退治して行った。
リリーとディゴが、ローダンセから旅立って、三年が過ぎた。
魔法使いの塔の岬のリリー、バィールの剣士ディゴ、槍の貴公子ジュランタ
鞭と格闘技、二刀流のモカラと言う、強い四人の噂は、全国に広まった。
その四人の元へ、アスチルベと言う国の王様から、魔物退治の依頼が有った。
どうしても退治できない、強い魔物が居て、困っていると言う。
「よし、退治してやろうぜ」皆は、アスチルベの王宮へ行った。
「おお、よう来てくれた」王様は、酷くやつれた顔に、喜びの色を浮かべて
四人を迎え「もう、我が軍の、半分ほどが、やられてしまっているのだ」と
悲しげな声で言い「もし、退治に行ってくれるなら
このアジュガの剣を、使ってくれ」と、言った。
「ええっ、アジュガの剣?」皆は驚いた、アジュガの剣は、ここに有ったのだ
「この剣は、剣聖と言われたアジュガが使っていた剣なのだが
今まで、誰も使いこなせなかった、だが、魔物退治人として高名な
ディゴ殿なら、使えるのでは無いかと、思ってな」と、王様は言う。
「ディゴなら、きっと使いこなせます」リリーがそう言った。
「え?」怪訝な顔の王様に「王様、このリリーは、アジュガ様の孫なんです」
と、ジュランタが言った。
「おお、そうであったか、そなたがそう言うなら、間違いは無かろう。
何でも、この剣には、爆雷の王が、召喚されていると言う、噂もあってな
上手く行けば、その召喚も、出来るやもしれぬ」王様はそう言うと
アジュガの剣を、ディゴに渡した。
ディゴは、震える手で、その剣を受け取った。
たちまち、体中に、強い力が漲って来る。
「凄い!!これなら、どんな魔物も倒せそうな気がします」
ディゴの言葉に「頼みますぞ、その魔物は、元は魔法使いだったそうじゃが
悪の限りを尽くし、とうとう魔物になったと言う、恐ろしい奴でな。
わしの兵も、何人も、木にされてしまったのじゃ」「何ですって!!」
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