3章 母親

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3章 母親

「私の娘が、男子生徒の家に押しかけて一緒に勉強して英語の成績を上げたと言ったのは貴方ですか。」  日曜日の朝、清水先生の後にかかってきた電話は、太田の母親からだった。太田の両親は、教師であったため、結婚式で清水先生と同じテーブルになったらしい。 「いや、私は担当は体育なので、英語の成績については知りません。」  岡田は、当時の太田の書類をファイルに保存したことを思いだした。 「当時の書類を見ながらお話します。」  太田の母親を落ち着かせるため、できるだけ静かに答えた。 「娘さんの件で、ファイルにあるのは2年次のキャンプと、校内での痴漢と、他校生からの付きまといの件です。」  岡田は、書類に目を通しながら答えた。
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