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「僕……やっぱりここに残ろうかな」  オリバーがそう言うと、フィフィは眉をひそめ、リチャードはカタカタと小さく首を振った。 「でもオリバー、魔道士学校は四年制でしょ?」 「そうだけど……」 「坊、男たるもの簡単に夢を諦めてはいけない」 「……だって」  オリバーが口の端を下げ、後ろを振り向く。その心情を察したのだろう、リチャードが時計塔を仰いだ。 「エリザベスは分別ある大人の淑女(レディ)だ。坊の夢を邪魔したいわけがあるまい」 「もちろんよね、エリザベス? フィフィたち、みんなでオリバーを応援するって、一年前に決めたものね?」  二人に水を向けられ、エリザベスは不承不承の(てい)で呟いた。 「みんなを封印していかないなら……オリバーが一人前の魔道士になるまで、待っててあげてもいいわ」 「エリザベス……!」 「時計塔のお世話はフィフィたちで手分けしてやるから、オリバーは安心して勉強してきてね」 「心配せんでも、村人の目につかない夜中にこっそり働いてやるぞ」 「ありがとう……僕、がんばる。絶対、一流の魔道士になるからね!」  オリバーは珍しく目を輝かせてそう誓い、ふと思い出したように、胸の試験管を外した。 「カメ吉……君はどうする?」 「どうする、って何だよ?」 「僕と魔道士学校に戻るより、隣町の魔法道具屋さんに行けば、お友達もできるかもしれない」 「は……?」
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