プロローグ

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プロローグ

 ある日のシアトルの朝刊に10行足らずの小さな記事が掲載された。それはシアトル郊外の街、エメラルドシティと呼ばれ、湖や森が多い風光明媚(ふうこうめいび)な街ベルビューの洞窟でひと組の男女の白骨体が発見されたと伝えた。  それだけなら気にも留められなかったかも知れないが、その男女はウエディングドレスとタキシードを身に纏い、記事では「ベルビューの恋人達」と題し二人の愛の形を伝えていた。 そしてそこには女性が男性に宛てた一通のラブレターが残されていた。        LOVE LETTER        余命180日の花嫁 【真梨子side】 ずっと片想いだったあなたに初めて会ってからーーー     もう20年の時が経って     それでも     この遠いアメリカの地で       また巡り会い       愛し合ったあなたに 伝えきれなかった想い。 これは最初で最後のあなたへのラブレター。
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