ヨガヲ登場

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ヨガヲ登場

「おいら、ヨガ森ヨガヲだ〜。ちょっとヨガが得意なだけの、普通の小学五年生なんだ〜」 ヨガヲは走る。 ビューン! ヨガで鍛えた脚力で、風のように走っていく。 「うあ〜、遅刻だあ〜!死体のポーズにのめり込みすぎて、時間が経つのに気づかなかったあ〜」 ヨガヲはなんと、二週間も死体のポーズを取り続けたのだ! これはもちろん、小学生のギネス記録である。 「おいらのじーちゃんは、ヨーガじーちゃんっていって、ウチはヨガの道場なんだ〜。それでおいらも物心ついたときからヨガに夢中なんだ〜」 ヨガヲ!親切だけど、そんな説明をしている暇はないぞ。君は今、遅刻しかかっているんだ! 「バッフ〜ン、バッフ〜ン」 ランドセルから鳴き声がする。 「なんだぁ〜?あ、トドちゃん!」 中に入っていたのは、ゴマフアザラシのトドちゃんだ。ヨガヲのペットである。 「しまったぁ〜、トドちゃんが入っているのに気づかずに持ってきてしまったぁ〜」 ヨガヲが二週間も死体のポーズを取り続けていたから気づかなかったのである。 そんなことをしていると、当然世の中の動きに鈍くなる。 実はヨガヲが学校を休んでいるあいだに、とんでもないことが起きていたのだ!
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