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1.プロローグ
恨みは雪のようだ。
我慢ないし耐え続けるほど、心という名の木の枝に降り積もっていく。
そして、降り積もった雪こと恨みは、いずれ木の枝こと心を重みでへし折ってしまう。
詩人になりたい訳じゃないんだ。
想像力が豊かなだけさ。
自慢じゃないが仕事も完璧にこなせる。
唯一の取り柄。
それが認められないなんてことが、有名企業で起こるとは思いもしなかった。
飲み会にもゴルフにも参加したのに。
だが、改めて考えてもそんなのは些末なことだ。
それ以上に大切なモノを失った。
クビを切られる以上のこと。
そのえげつない行為は、意図も容易く行われた。
3人の上司によって。
僕もまだまだ未熟者だった訳だ。
枝が折れた瞬間から、僕は殺人鬼になった。
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