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「ん? 何か降ってきたな。青い……雨?」 「わ、ほんとだ」 「傘ささないと」 「今日晴れって言ってたのに」 「青い雨が降るなんて、一体なんでなんだ?」  ある日、唐突にそれは降ってきた。  青い雨が降ってきた。  雨はもともと青いって?  馬鹿を言うな。  そんな事言うのは、子供だけだ。  雨は透明だよ。  それなのに、青い雨が降って来たんだ。  一体全体どうなってるんだ?  俺は上を見上げた。  おう、俺ぁマンションに住んでるんだ。  人より上にいると、気分がいいもんでよ。  あん?  んな事聞いてない?  へいへい。  まあ、話をもどすとな。  だから、上の奴が絵の具でもこぼしたんじゃねぇかって思ったんだよ。  そしたらなんかさ、いたんだよ。  変辺なのが。  羽の生えたガキが、空に浮かんでいてさ。  ジョウロを持って、雨?を降らしてたんだよ。 「一度雨をふらしてみたかったんだよね」  とか言いながらさ。  俺ぁ酔っぱらってんのか?  そう思ったさ。  さっき起きたばかりだけど、二度寝しようかと思った。  でも、あれだ。  あんまり現実離れしすぎて、何も考えられなくなっちまったんだよな。  ずっと、そいつが最後の一滴降らせるまで、見つめ続けちまったよ。  あいつ、何やってんだ。  はぁー、神様見習いは退屈だな。  たまには、修行ばっかりじゃなくて、神様っぽい仕事したいよ。  そうだ。いつも神様がやってみるみたいに、天気を操ってみようかな。  よし、雨を降らせてみよう。  あれ、でも雨ってどうやって降らせるんだ?  湖とか海から水を持ってこればいいのかな?  それじゃ、魚がこまるか。  それに。  雨って確か、小さな水の粒だったっけ。  じゃあ、だめだ。  そうだ、いつも花壇を世話してるときに使っているジョウロ。  あれを使おう。  そうと決まればさっそく準備しなくちゃ。  あ、雨の色ってどんな色だっけ。  うーん、でも同僚の修行生たちがお絵描きしているのみると、青っぽかったから、青でいっか。  このあたりの今日の天気はどうだっけ。  まあ、たまに外れる事くらいあるでしょ。
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