01

1/1
前へ
/1ページ
次へ

01

 衝撃!俺の彼女の部屋がピンクだった。  毎日発行、俺新聞の内容が更新されたよ。  比喩的な表現とかじゃない。  物理的?って言っていいかどうか分からないけれど、ピンクだった。  彼女の部屋にお邪魔したら……。  机も、椅子もカーテンも、本棚もカーペットも壁紙も、ピンク色だった。  こんな部屋の持ち主は、さぞかし可憐な少女なのだろうと思うよね。  けれど、違う。  顔を赤らめているこの部屋の主は、革ジャン着てるし、なぜかトゲトゲが靴底についた靴を履いてる。  しかも、喧嘩上等と書かれたTシャツを着ちゃったりもしている。 「なんだよ。じろじろみてんじゃねーよ」  その子は、普段からヤンキー言葉を使う男勝りな少女、みつきちゃんだ。  こんな子が、俺の彼女。  うん、見た目はめっちゃ男まさりだけど、内面は乙女なんだよね。 「何だその顔は! 笑え! 笑うなら笑えばいいだろ!」  そんなに勢いよく、肩をゆさぶらないでっ!  照れ隠しもほどほどにっ!  これは生暖かい視線を向けているんだよ。  別に君をあざ笑っているわけじゃないから、安心して。  誰かと目があったら、喧嘩をふかっけられていると勘違いしちゃうみつきちゃんは、相当な「ザ・はやとちり屋」さんだ。  いっつもしかめ面。  そんなだから、通っている学校でも、誰から構わずめっちゃガンとばしていると話題になってて、生徒達から遠巻きにされている。  でも、みつきちゃんはやさしい。  不良に絡まれてこまっていた俺を、同じ学校の生徒だからって理由だけで助けてくれたし。  こんなにカッコ優しい子に惚れない方がおかしいよね!  俺は、精いっぱい温かい顔をして温かい言葉をかけようと思った。 「こんな(※かわいい)お部屋に住んでるなんて、(※毎日がおまつりみたいで)おめでたい(※楽しい)気分になれそうだね。みつきちゃんの頭の中はとってもピンク(※色の事)でいっぱいなのかな」 「なんだとごるぁぁぁ!」  あれ、何か間違えたかな。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加