0人が本棚に入れています
本棚に追加
01
衝撃!俺の彼女の部屋がピンクだった。
毎日発行、俺新聞の内容が更新されたよ。
比喩的な表現とかじゃない。
物理的?って言っていいかどうか分からないけれど、ピンクだった。
彼女の部屋にお邪魔したら……。
机も、椅子もカーテンも、本棚もカーペットも壁紙も、ピンク色だった。
こんな部屋の持ち主は、さぞかし可憐な少女なのだろうと思うよね。
けれど、違う。
顔を赤らめているこの部屋の主は、革ジャン着てるし、なぜかトゲトゲが靴底についた靴を履いてる。
しかも、喧嘩上等と書かれたTシャツを着ちゃったりもしている。
「なんだよ。じろじろみてんじゃねーよ」
その子は、普段からヤンキー言葉を使う男勝りな少女、みつきちゃんだ。
こんな子が、俺の彼女。
うん、見た目はめっちゃ男まさりだけど、内面は乙女なんだよね。
「何だその顔は! 笑え! 笑うなら笑えばいいだろ!」
そんなに勢いよく、肩をゆさぶらないでっ!
照れ隠しもほどほどにっ!
これは生暖かい視線を向けているんだよ。
別に君をあざ笑っているわけじゃないから、安心して。
誰かと目があったら、喧嘩をふかっけられていると勘違いしちゃうみつきちゃんは、相当な「ザ・はやとちり屋」さんだ。
いっつもしかめ面。
そんなだから、通っている学校でも、誰から構わずめっちゃガンとばしていると話題になってて、生徒達から遠巻きにされている。
でも、みつきちゃんはやさしい。
不良に絡まれてこまっていた俺を、同じ学校の生徒だからって理由だけで助けてくれたし。
こんなにカッコ優しい子に惚れない方がおかしいよね!
俺は、精いっぱい温かい顔をして温かい言葉をかけようと思った。
「こんな(※かわいい)お部屋に住んでるなんて、(※毎日がおまつりみたいで)おめでたい(※楽しい)気分になれそうだね。みつきちゃんの頭の中はとってもピンク(※色の事)でいっぱいなのかな」
「なんだとごるぁぁぁ!」
あれ、何か間違えたかな。
最初のコメントを投稿しよう!