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あたふたと慌てて返答する知桜を、女の子のようにかわいらしい瞳でじっと見つめる嵐。
「そ、それで…あの… …」
じっと見つめられ、戸惑った表情を嵐に向ける。
フラれたばかりで、さすがに嵐の顔を直視できない。
そのためややうつむき加減となってしまう。
そしてパニクった頭にふと、ひとつの疑問が浮かんだ。
ところで…嵐こそどうしてこんな可愛らしいケーキ屋さんにいるのか?
単純にケーキを買いに来た。そう考えるのが普通か…と、内心自己解決する。
「あぁ!短期バイト?」
何かに思い当たったようにそう言って、嵐がおもむろにお店の扉を開く。
カランカラン… …
と落ち着いた銅の音が店内に響いた。
と、思うと… …
グイッ!と腕を引かれる感覚。
ーー・・・え?
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