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嵐の甘い囁きにドキドキが加速する。
息苦しくて、心地好い...
知桜が背もたれとしている背後の壁に片手をつき、覆われる形となる。
ゆっくりと、嵐の形のよい唇が近づき...知桜はドキドキに任せて、瞳を閉じた。
「あ!ねぇねぇ、こっち誰もいないよ~」
「ここいいじゃん!コートよく見えるし♪」
「さやか〜!こっちこっち!」
ふいに知桜と嵐の頭上。背後の壁を隔てて向こうの観覧席が女の子達の声で賑やかとなる。
と、その声に反応し嵐の動きもピタリと止まる。
「... ...人、来ちゃった...ね」
赤面する顔ではにかんだようにぽつりと知桜が言った。
せっかく想いが伝わり、ドキドキと緊張しながらもキス、するところだったのに...。と、内心...残念だったりもする。
キスもお預け... ...
ーーホント...タイミング悪いなぁ...
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