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ベースは知桜と同じであるため、どちらかというと女性的なルックスをしている。
それが本人としてはコンプレックスなのか、いつの頃からか顔を隠すように細いフレームの眼鏡をかけるようになった。
本人は不本意かもしれないが、その眼鏡こそが一斗のインテリでクールな雰囲気を一層盛り立てるアイテムになっていることは間違いなく、一斗が苦手とする女の子からの人気も相当な物であった。
「そ、んなことないよ!元気♪」
指先で髪の毛を耳にかけながら、心配そうに覗き込む一斗に笑顔を向ける。
が、昔から一斗に嘘や隠し事は一切通用しない。
一斗が眼鏡のレンズ越しにじっと知桜の瞳を見つめる。
「… …ちぃは嘘つく時、髪を耳にかける仕草をするよね?」
「え!?そ、そうなの?」
「そうだよ…俺に嘘つくのなし」
「う~… …」
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