タイミングの悪さを恨みます

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夏休みに入り、長期の休みになると会えなくなる…せめてお友達になりたい!と思い告白を決意したのだが… ーー…明日から夏休みでよかった。部活…がんばろ。 「えぇ!?ちぃフラれたの!?」 「あぁぁあーちゃん!声が大きいよぉ!!」 夏休みの部活1日目。ペアでクールダウンをしている最中。 チームメイトであり、幼なじみであり、親友のあーちゃんこと渡利 明日夏(わたり あすか)に昨日の出来事を打ち明ける。 「ご、ごめん…私が、イケるよ!なんて後押ししちゃったから…。嵐(あらし)って見た目はチャラいけど、女の子のタイプはちぃみたいな清楚系だし… …イケると思ったのは本当なんだよ!?」 「うん。分かってる♪ありがと。…あーちゃんが後押ししてくれなかったら、気持ちを伝えることなんてぜ〜〜ったいにできなかったから…感謝してるんだよ?」 よく見ると昨夜は泣き明かしたのか、その黒目がちな目元がわずかに腫れていた。 知桜が明日夏の言う"清楚系"かはさておき、一言で言うと"女の子"というイメージにぴったりと当てはまる。 アゴのラインですっきりと切りそろえられたショートボブの横髪を指先で耳にかけるしぐさはかわいらしく、小学生の頃からバレー少女であるが、そんなスポーティーなイメージはおっとりとした知桜からは微塵も感じられなかった。 決して派手ではなく、黒目がちで大きな瞳は小動物のように頼りない。 小さな顔に長い首、すらりと長い手足。168センチとそこそこ身長も高く、何度かモデルや芸能事務所からのスカウトを受けたこともある。が、昔からの内気な性格のため、もちろん興味はなかった。
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