タイミングの悪さを恨みます

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力なくはにかんだ笑顔を見せる知桜を、明日夏が潤んだ瞳で見つめる。 「ちぃ~…私、嵐に言ってくる!ちぃは最高にいい子なんだよ~!バカ嵐!!って!!」 「えぇ!?いぃ!いぃ!!もう、ふっきれるから… … 大丈夫だから♪ね?」 明日夏と嵐は同じ1年3組で仲が良い。 昔から明日夏は知桜とは真反対の人見知りをしない積極的な性格であり、嵐と同じタイプなのかよく気があっているようだ。 知桜はいつも登下校の時に明日夏と一緒にいるため、嵐には知桜の存在くらいは知られていた。 廊下ですれ違う時には「よっ♪」と可愛らしい笑顔であいさつをしてくれる。 といっても…実はその程度の関係だった。きっと嵐は知桜の名前すら知らない。 嵐はいつも誰にでも優しくて、誰にでも明るい笑顔で接する。 それを間に受けて、勘違いした… 浅はかだった。 と、今更になって反省する。
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