旅日和

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旅日和

旅を始めて4年。そもそも4年前がボクにとって始まりだった。 ボクは生まれ育ったエーテリングと言う街を飛び出すようにして旅をはじめた。 きっかけは簡単。人間社会ではいじめが付き物だったからそれが嫌で人から少し離れようってだけ。…我ながらこんなに時間が経つとは予想外だけどね。 「ニャーオ」 「はいはい。ご飯食べとく?」 「ニャー」 「うん。ゴソゴソ。…じゃあボクも。いただきます」 寝床にする廃墟に着く前、焼き物を商売にしているおばあさんからもらったクッキーがある。 あいにく今居る場所は廃墟だから手持ちもそんなに無いからね。 「本格的に雨が降って来ちゃったなー」 しとしと降り続く雨は止む気配を見せない。 いつも持ち歩いてるティーセットと猫用キャットフードだけ。あとは野宿用テント。 ノワールがご飯を食べている間に、これから帰る故郷にいるボクの親友の話をしよう。
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