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第一章 涙色の海
涙色の海
海がこんなに深いのは
悲しい気持ちが溶けているから
潮風が強いのは
涙を吹き飛ばそうとしているから
海に散った心のしずく
潮風よ 岸へ届けないで
このまま泡沫になって消えてしまいたい
この船に身を委ね ただ進むだけでいい
海は 涙色
あなたを忘れることなど できるはずもないのに
海がこんなに冷たいのは
悲しい心を包んだから
カモメが飛んでいるのは
寂しい心を知っているから
水面に映ったあなたの顔
白波よ どうか消さないで
優しいあなたの温もりを忘れたくないから
この船に身を委ね ただ進むだけでいい
海は 涙色
あなたを忘れることなど できるはずもないのに
雪よ風よ
私を連れて行って
この海の果ての
あの人がいない世界へ
私はそこで真っ白になりたい
この船で身を委ね ただ進むだけでいい
海は涙色
あなたを忘れることなど できるはずもないのに
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