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心の出血が止まらない、そんな感じのまま大人になってしまうんでしょうか。
近づくものには威嚇して、触れられたものには牙を剥く人間になってしまいました。これも自分が生きるためです。あと一撃で心は死んでしまいますからね。
僕の周りには誰もいませんでした。遠い宇宙の惑星に独り、取り残された気持ちになりましたが、寂しくはありません。むしろ安心しています。僕は心の出血を止める術探しに忙しいんです。大人になる前に治さなければ取り返しがつかないんです。
どこかで聞きました、心が傷ついたままだといつか恐ろしい虎と馬がやって来て、噛まれたり蹴られたりして殺されてしまうんだと。
途方のない旅をしている最中、あるところで1人の女の子に出会いました。年が同じく背丈も変わらない。僕によく似ていて、不思議と怖くはありませんでした。
女の子も、どうやら心が傷ついているようでした。だから薬を探し歩いているというのです。
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