#13

1/1
前へ
/18ページ
次へ

#13

「うッううゥ……、究極の選択」  まだボクは迷っていた。  気づくと駅前に来ていた。  すでに夜の九時を回っている。イルミネーションが輝いて奇麗だ。  エスカレーターで、駅前広場へ上がった。  かなりスペースがある。  通行人は疎らだ。  近くに呪井がいるらしい。  電話が掛かってきた。アイツからだ。 『さァ、ゲームの始まりだ』  いきなり蒼井正義を名乗る人物は楽しそうに宣告した。 「なにィ!!」  その時、不意に女性の悲鳴が響いた。 「キャァァーーッ!!」 「えェ……」  見ると、前方に紅い蜘蛛のデザインをしたマスク姿の男が立っていた。  異様に目が血走っている。危ない男だ。  腕には見覚えのある紅い蜘蛛のタトゥが施されてあった。 「なッ、なにィ……!! 呪井!!」  ボクは、その男を見て絶叫した。  間違いない。その男は呪井だ。 「キャァァ!!」  あたりは騒然となった。  
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加