#14

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#14

「キャァァァ!!」一瞬で周辺(あたり)は騒然となった。   「あ、あッ、悪魔どもめェ……!!」  まるで呪井は違法薬物でもやっているのか。  視線が定まらず口元からヨダレを垂らし、手には刃物を持っていた。 「ゴックン……」  思わず、ボクは生ツバを飲み込んだ。 「ううゥ……、うッわァァーー!!  悪魔めェ!! 殺してやるうううゥ……」  呪井は口角泡を飛ばし、ボクへ刃物を突き刺そうと走ってきた。 「わッああァァァァーー!!」  とっさに逃げようとしても足が動かない。  まるでスローモーションのように動きが緩慢に見える。    間違いなく呪井の刃先はボクの胸元へ向かっている。 「うッわァァァァァァ!!」  これでボクは死ぬのか。
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