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#4
『わァァァァ!!』男の子は熱かったのか、途端に喚き立てた。
『チィッ、るッせぇな!!』紅い蜘蛛のタトゥをした男は舌打ちをして怒鳴った。
『うッううゥ……』男の子は頬を押さえ泣きそうだ。
『おッおい、大丈夫か!!』
真っ先に友人の蒼井正義が男の子の元へ駆け寄った。
ボクと本田正直も躊躇いがちに後から続いた。
『ふン』だがタトゥの男は、ふて腐れた顔でそのまま通り過ぎようとした。
『ちょっと、待ってください。
ここは通学路ですから歩きタバコは禁止ですよ』
堪らず蒼井正義は睨みつけ、彼を呼び止めた。
『ああァン、知るかよ』
しかしヤンキーは無視してどこかへ逃げて行こうとした。
『ちょっと待ってください。
危ないでしょう!! 今、この子の顔にタバコの火が当たったんですよ。
謝ってください。この子に!!』
蒼井は、追いかけてギュッと肩を掴んだ。
『るッせぇ!! 触んじゃねえェよ!!』
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