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#5
『ちょっと待ってください!!
危ないでしょォ!! 今、この子の顔にタバコの火が当たったんですよ!! 謝ってください!! この子に』
蒼井正義は、追いかけてギュッと肩を掴んだ。
『るッせぇ!! 触んじゃねえェよ』
すぐさま振り向きざまに紅い蜘蛛のタトゥの男は、力任せに手を振り払った。
『痛ッてぇ……、あなたねえェ!!』
思わず、蒼井正義はキッと睨み返した。
『なんだァ!! こらァ、その目は!!
ヤンのか。ガキがいい気になってるなよ』
紅い蜘蛛のタトゥの男は完全に逆ギレだ。
突然、蒼井正義に殴り掛かっていった。
ボクシングでもやっていたのだろうか。
ステップも軽やかにジャブを放った。
ガッツンという鈍い音があたりに響く。
『ぐッうわァ!!』いきなり閃光のようなパンチが蒼井正義の顔面に入った。
『ああァ』
僕らは茫然として立ち尽くすだけだ。
『ふざけやがってェ……!! こらァ!!』
ヤンキーは、なおも容赦なく襲いかかった。
ボクも隣りの友人の本田正直も怖くて何も出来ない。
『ぐわァ、た、助けて』
蒼井は悲鳴を上げるが、ヤンキーは狂ったように蹴り上げた。
『舐めんなよ!! 殺すぞ!!』
止める間もなく、一方的に殴る蹴るの暴挙だ。
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