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#7 さァゲームの始まりだ✨⚔️✨
『平凡人!!
余命3日を宣告する』
また念を押すように、電話の蒼井正義と名乗る人物は耳障りな声で繰り返した。
「うッ、ううゥ……」
やはり蒼井正義のゆかりの人だろうか。
『もしも助かりたければ……』
「えェ……、何をしろって言うンだ。
このボクに?」
『フッフフ、助かりたければ、蒼井正義を昏睡状態にしたレッド スパイダーの呪井一人を処刑しろ!!』
「呪井……。あの紅い蜘蛛のタトゥの男か。
まさか処刑ッて? 殺すのか」
呪井は精神疾患を理由に起訴猶予処分だ。
その呪井を『ボクに殺せ』と言うのか。
『ああァ……、もちろんさ!!』
「あのなァ、ドラマや漫画じゃないんだぞ」
そんなコトが出来るワケがない。
『このコトは他言無用だ。警察へ通報した時点で、お前の命はない!!』
「命……、どうかしてるぞ」
『さァ、ゲームの始まりだ』
「え、なんだ。ゲームッだって?」
『そう【ジャスティスゲーム】だ!!』
「ぬうゥ……、ジャスティスゲーム」
『余命3日の間に、呪井一人を処刑できたら、お前の死刑執行は取りやめだ』
「呪井を、無茶言うなよ……。そんなこと言っても、どこにいるのかさえも知らないのに」
ボクは警察に知り合いもいない。
呪井をどうやって探し出せと言うのか。
『心配するな。今、あいつのデータを送ってやるよ。それに呪井は今、すぐ近くにいる』
「すぐ近くにィ……!!」
『そうだ。《悪しき魂》に正義の制裁を』
「うッ、《悪しき魂》に制裁だって」
本気で、コイツはボクに呪井一人を殺させるつもりなのか。
こうして、ボクはワケのわからない内に【デスゲーム】に強制参加させられた。
そして、朝が来て【ジャスティスゲーム】の第一日目が幕を開けた。
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