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1.平凛の誕生日
平凛ももうすぐ14歳。オレが30すぎだから、倍以上の歳の差だ。
昨年夏前に事故で平凛が心肺停止となり、そこに通りかかったオレが助けたことから、平凛はオレを慕ってくれ、祖父の是真さんの力もあり、オレは平凛と将来結婚することになった。
まあ、古い言い方をすれば、許嫁ということになるわけだ。今ではずっとオレのことを「ダンナ様」と呼んでくれてもいる。
しかし、勘違いしないで欲しい。平凛には何も手を出しちゃいないよ?(キスくらいはしたが、あんなの外国では挨拶だよな、挨拶)
まあ平凛と付き合いだして、初めての誕生日となるわけだった。
いずれオレも平凛と結婚することになるんだし、しっかりしなきゃな。
とオレは心を新たにしたところで、さて、何を贈ろうか…。と迷った…。ん-…ここはやはり皆を巻き込んでパーティの方がいいかな。サプライズの…。となると、事は極秘裏に進めないとな…。まずは妹の優菜に相談してみるか。
…その夜
オレは優菜と一緒にももっちの部屋を訪ねた。パーティをするなら、会場や料理のことなどのこともあり、メイドのももっちを巻き込んだ方がいいと思ったからだ。
オレは二人に簡単にいきさつを説明した。
「…ということなんだが、意見を聞かせて欲しいんだ」
「サンセーイ!やろやろ!姉さんの誕生会!」
とノリノリなのは優菜だった。
「ももっちはどう思う?」
「私はですね、是真様もお誘いしたらどうかと思うのですが…」
「是真さんか…予算的な面でか?」
「それもございますが、何より是真様が平凛様を可愛がっているからでございます。呼んであげたら一番喜ぶことでしょう」
「なるほどな。じゃあそうしよう。ところで食事は夕食を兼ねてビッフェ形式にした方がいいか?」
「そうでございますね。私のコスプレイヤー仲間を2名ほど応援に呼びますので、料理はなんとかなりますね」
「ハイハーイ!飾りつけは私とお兄ちゃんでやろうよ。いいでしょ?お兄ちゃん!?」
と優菜が言うので、オレは仕方なく、
「まぁその日は休みの日でもあるし、手伝うよ」
と言った。
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